2018年2月9日金曜日

ろーじ大晦日寄席レポート

「ろーじの落語会レポート」

2017年12月31日、釜ヶ崎のお店、たんぷーり(KAMAPABU)で、『東田ろーじ落語研究会 年忘れ‼ 大晦日寄席』が行われました。

出演者は、
ひと花亭健
釜凹亭風歌
釜凹亭きっかい
泥亀亭つづらん

そして今回特別ゲストに、
立川流真打、立川こしら師匠が来て下さいました。


落研のメンバーは、真打の師匠と同じ高座に素人が乗るなんてと恐縮しつつも「冥土の土産になるわ〜」と喜び、張り切っていました。


トップの風歌さんは『延陽伯』を演じました。延陽伯という美人の嫁をもらうも、彼女のしゃべり方が丁寧過ぎて、何を言っているのか分からない…というお話。女性らしい柔らかい雰囲気で、会場がぱっと華やぎました。今回唯一の正統派古典落語をびしっとやってくれました。





















2番手のきっかいさんは、桂枝雀さんの創作落語『いたりきたり』でした。
出たり入ったりしている「いたりきたり」、行たり来たりしている「でたりはいったり」という謎の動物を飼っている男と友人の会話。健師匠が短くアレンジし、本番はさらにきっかいさんの個性が出たオリジナルの『いたりきたり』になりました。





















3番手のつづらは自分で作った創作落語をやりました。にんじん嫌いの男のもとに、言葉を話すにんじんがやってきた『にんじん』というお話。濃いメンバーに負けず、やり切りました。
























落研の講師の健師匠は、今回、お医者さんや、忠臣蔵を題材にした艶笑小噺をやりました。少し大人向けの、お色気小噺で、冬の寒さを色んな意味で暖めてくれました。釜ヶ崎のおじさん達に、日常会話の種に使って欲しいです。



























ここで仲入りがあり、その後は、いよいよこしら師匠の出番でした。





















枕では、開演前に高座にするビールケースを運ぶのを手伝わされたことや、初対面のおじさんに『お前か!』と言われたことなど、真打の落語家への扱いと思えないもてなしをした釜ヶ崎の人達をネタにしていました。
喋っている途中に話しかけてきたり、野次(声援?)を飛ばすおじさん達にも、とことん相手をするこしらさんが格好良かったです。

演目は『短命』『火焔太鼓』の2席を演じられました。

以下、簡単ですが粗筋です。


『短命』…嫁が良い女すぎるとなぜ旦那が短命になるのか遠回しに話す男と、なんのことか理解できない男の会話。ようやく解った男が家に帰り、自分の嫁を見ると…「俺ぁ長命だ」

『火焔太鼓』…商売下手の古道具屋が、市で汚い太鼓を買ってしまう。恐妻の嫁に罵られるが、偶然その太鼓の音を聞いた大名がその音を気に入り、家来が店にやってくる。殿様が実物を見たいというので、太鼓を城に持参して欲しいという。古道具屋は太鼓が売れると喜ぶが、嫁は城に行ったら一体どんなお咎めがあるか…と不信を抱く。そして男が城に行くと…。


古典落語にかなり脚色を加えた異端な落語で、次はどんなことを言うんだろう、どうなっていくんだろうと、わくわくしながら聞きました。
特に『火焔太鼓』で、お城に行ったらどんな事になるかと、嫁の妄想の世界がどんどん広がっていく所は、迫真のシーンでした。

会場に集まった人達皆がこしら師匠を楽しみにしていましたが、完全にその期待値を上回っていました。
こしらさんの落語の時は、皆引き込まれて、真剣に聞いている空気を感じました。お客さんも出演者も、生き生きした良い顔をしていたように思います。

こしらさんが来てくれたおかげか、いつも以上に会場全体の士気が高まり、大晦日のあたたかい空気と合わさって、終始良い雰囲気が流れ、最後はワッと盛り上がった落語会でした。


(報告者:田中)

0 件のコメント:

コメントを投稿